家作りで心配されることの一つに、各ハウスメーカーの営業から提示される見積書の信頼性が挙げられます。
注文住宅を建てるということは、とてつもなく大きな金額が発生するため
- 契約前に提示される見積書には安い金額を提示されているのではないか。
- 契約後どんどんと金額が上昇していってしまうのではないか。
こうした想像や勘繰りを心配をしてしまうことは、むしろ当たり前のことです。
そして、実際にそういった営業手法を行っているハウスメーカーや工務店も存在しており、契約前に提示された見積り額を鵜呑みにし、家作りを進めていくことはとても危険です。
とはいえ、家作りの初期段階では、家作り知識も浅く、何が今後必要になるかの見通しも立てにくいため、出てきた見積書を信頼し、契約を進めていくしかありません。
実際、当サイトにもこうした見積額に関する次のような質問を頂きました。
ダラシンさんのように家作りの見積り書の信頼性を疑ってしまうのは、みなさん共通の思いではないでしょうか。
この質問に断言した回答をお届けすることは難しいですが、ここではわが家の見積り書の金額を例に挙げ、ハウスメーカーから初めて見積書を提示されてから最終的な契約時に発生した金額までの推移を紹介し、私なりの分析と見積書の信頼度について感じたことをお伝えしてしたいと思います。
注文住宅の見積額はどう変化していくのか
まず、わが家のケースでは、契約段階から最終決定時までに5回の予算提示をされました。
ここでは、その5回分の見積書をすべて公開しながら、どのように見積り額が推移したのかをまとめていきます。
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初めて提示された見積書
こちらがハウスメーカーと契約する約1か月前に提示された見積書原本(建物関係予算部分)です。
この時期はまだ別のハウスメーカーとの競合をしていた時期ですが、この時点で提示された金額は
29,295,000円
でした。
家づくりの予算は3000万円と伝えており、その上限ギリギリでの見積り金額を提示されました。
その後、競合ハウスメーカーからも見積りいただき、工場見学や現地見学を重ねる中で、積水ハウスと契約していくことになります。
契約時の見積書
次にわが家が見積書を提示されたのは、地盤調査を受け、正式に地盤補強工事方法が確定した段階になります。
「この見積書に納得していただければ、契約をして欲しい」と言われ、提示された金額と内訳がこちらになります。
この時点での見積額は
31,593,450円
と前回から一気に200万円以上も増加していることになります。
上昇した200万円の内訳のほとんどは「地盤補強費用」となっています。
想定していた以上に地盤が弱く柱状のコンクリを埋め込む地盤補強工事が必要になってしまいました。
この時点で営業マンの対応も含め、積水ハウスのサービスに満足していたため、予算オーバーではありましたが、契約をすることにしました。
間取り確定時の見積書
次に見積書を提示されたのは間取りを確定した際です。
この時点で、間取りを次のように2か所変更しました。
- 風呂を小さくし、玄関を広げる。
- 玄関を吹き抜けにする。
この変更は建築費用を抑えることができる変更であったため、見積書の金額は減少し、
31,500,000円
となりました。こうしてわが家は間取りが確定し、細かな家づくりの設備確定に向け、動き出していきます。
オプション設備確定時の見積書
間取りが確定し、その後予算とにらめっこをしながら、オプション設備の調節を行ってきました。
こちらがオプション設備の確定時における見積書になります。
この時点で契約時に想定した太陽光パネルをより大型にしたことで、大幅に太陽光システム予算が上昇しました。
その分、床暖房を縮小したりするなど予算調整を行いました。
結果、予算総額はさらに減少し
31,424,400円
となりました。これによりほぼ家づくりの総予算が確定し、いよいよ最終見積りをいただくために細かな調整を行うことになります。
最終決定時の見積書
こちらが積水ハウスから提示を受けた最後の見積書になります。
わが家は最後の最後にきて、窓の種類と大きさを変更しました。
これにより最終的にわが家が提示された予算は、さらに減り
31,329,900円
となりました。
こうしてわが家の家づくりは完成を迎え、この金額を基にした請求書をいただくことになります。
わが家の見積書の推移
こちらのグラフが、わが家の見積金額の推移になります。
このグラフだけを見ると、「やっぱり契約時には大きく金額が上乗せされてしまうんだ。」と感じてしまうかもしれません。
しかし、なぜ金額が上昇しているのかという項目に注目してみてください。
わが家のケースでは、契約時に見積額が大幅に上昇している原因は地盤補強工事の費用がその大半を占めています。
そして、この金額上昇については地盤調査時に説明をしていただいていたため、ある程度予想しており、納得した金額上昇でした。
金額が上昇してしまったことは、大ダメージですが、こればかりはケチることもできませんでした。
結果、その他のオプション等で総費用を抑えることを検討していくことになりました。
そして、契約時以降の見積書は、むしろ金額が減少し続けるという結果になりました。
これには正直驚きました。担当してくれた営業マンがかなり優秀な営業マンということもあり、金額を下げることで、何かをあきらめなければいけなかったという記憶はなく、家の構造など些細な部分を費用をかけなくても済むように変更してくれ、こだわる部分には十分にこだわった家作りを実践することができました。
見積書で確認するべきポイント
家づくりの見積書を見るべきポイントは、この2つです。
- 地盤補強費はどの程度上昇する可能性があるのか
- 予算を削るとしたらどの設備でどの程度費用を減らせるのか
この2点を初期時の見積書ではしっかりと確認しておくことが、その後の家づくりを安心に行うために必要な点になります。
地盤補強については、各社営業マンは必ず低い金額を提示した見積書を提示してきますので、実際に地盤調査を行ってもらい、それによる費用がどの程度必要なのか明確にした見積書を提示するよう求めるようにしましょう。
地盤補強は100万円単位で見積額が上昇してしまうかなり危険なポイントですので、ご注意ください。
また、家づくりになると10万円が端数のような世界になり、金銭感覚がくるってきてしまいます。
冷静になり、予算を削減したい場合、どの設備を削ることができ、どの程度まで建築価格を下げることができるのか事前に確認しておくこともおすすめします。
そして、家づくり費用が他の方々の家づくり費用と比較することも重要です。
当サイトでは全国各社のハウスメーカーや工務店の家づくり費用を分析し、情報を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。