床暖房で後悔しないために知っておくべき10個のデメリット

本記事では、一条工務店の全室床暖房に憧れ、実際に床暖房を設置した筆者が、生活する中で感じている床暖房のデメリットについて解説しています。

ここで解説する床暖房のデメリットは、以下になります。

  1. 電気代がエアコンに比べて高い
  2. 設置費用が高い
  3. メンテナンス費用代が高い
  4. 故障時の修理費用が高い
  5. 冬場にしか使えない
  6. ラグやカーペットとの相性が悪い
  7. 急速に部屋を暖めることができない
  8. 10年過ぎると使わなくなる
  9. のぼせてしまう
  10. 赤ちゃんが低温やけどになる
  11. 床下や布団がカビてしまう
  12. 床暖房だって乾燥する

ここ10年ほどで太陽光発電の普及に伴い、オール電化住宅が急増しています。それに伴い、床暖房をオプションとして新築時に採用したり、リフォームにて設置をしたりする方が増えています。

こうした流れにあって、その快適さや周りの口コミを安易に信用し、床暖房を設置した後で後悔をされる方が後を絶ちません。

ここで解説している床暖房のデメリットは電気代などの「費用面」と床暖房があることで生じる「生活面」に分けられます。この2つの側面からじっくりと床暖房のデメリットを認識し、後悔することなく快適な床暖生活を送っていただきたいと願っています。



床暖房の費用面におけるデメリット

ここでは床暖房のデメリットを費用的な側面から解説していきます。

使用に伴う電気代から維持費用まで具体的な数値や金額を用いて費用面のデメリットを紹介しますので、ぜひ設置後のライフプラン設計に役立ててください。

電気代・ガス代がエアコンよりも高い

こちらの日本地図が都道府県別で調査した床暖房のみに掛かる冬場の電気代推測金額になります。

青色の北海道・東北地方・長野県は、冬場の平均気温がマイナスになる地域で、この地域では月2万円程度の電気代が床暖房のみで必要になります。

水色の北陸地方から近畿地方にかけては、冬場の平均気温がほぼ0℃になる地域で、この地域では月1万円程度の電気代が掛かります。

黄色の地域は冬場の平均気温が2℃以上になる地域で、月5000円程度の電気代が掛かります。

床暖房に掛かる電気代は、特に全室床暖房を標準装備する一条工務店のオーナー達が発信する金額をネット検索で確認することができます。

ただし、一条工務店はハウスメーカートップクラスの高気密高断熱性能を持ち合わせていることを考えると、一般的な住宅で床暖房を使用し、快適に過ごせるよう部屋を暖めようとするならば、かなりの電気代を覚悟する必要があるわけです。

実際、床暖房のランニングコストを巡っては次のようなトラブルも発生しています。

参考 「床暖房で光熱費かさむ」とガス会社を提訴日本経済新聞 床暖房の電気代やガス代といった維持費が、当初想定していた金額より高額になるケースは決して珍しくはありません。

日本経済新聞は、記事の中でエネファーム導入とともに床暖房を設置した家庭の年間光熱費が9万9233円から17万898円へと倍増したケースを紹介しています。

このような想定外の光熱費用によってその後の生活が歪んでしまっては、どれだけ快適な空間を手に入れることができたとしても意味がありません。

床暖房で快適な暮らしを手に入れるには、それ相応のランニングコストを覚悟し、設置するべきなのです。

設置費用が高い

わが家がリビング&ダイニング(約17畳)の床暖房設置に支払った費用は605,000円でした。

家作り当初はキッチンまで床暖房を敷きつけるつもりでしたが、資金的にあきらめることになりました。ちなみに、キッチンまで床暖房を敷き詰めた(約20畳)場合の見積もり金額は700,000円でした。

つまり、あくまで新築時に床暖房を設置する場合の概算費用ですが、1畳分の床暖房を設置するための費用は約35,000円と想定されます。

この金額は、他の暖房器具と比べるとかなり高額であると言えます。

メンテナンス費用が高い

床暖房に限った話ではありませんが、どんな機械もメンテナンスが必要です。

では、床暖房のメンテナンス費用はどれくらいになるのでしょうか。

調べてみると、床暖房には不凍液と呼ばれる液体が使用されており(床暖房のタイプによりますが)、この不凍液の交換目安は10年程度のようです。

不凍液の交換には交換作業代金を含め、15畳程度の床暖房で3~5万円が相場のようです。

もちろん、必ず交換しなければいけないというものではありませんが、床暖房の性能を維持するにメンテナンスは必須条件です。

床暖房の設置規模や劣化状況によってまちまちではありますが、10年で5万円程度のメンテナンス費用が掛かると想定しておいた方がいいと思われます。

故障時の修理費用が高い

床暖房は比較的故障しにくい設備であると言われています。

床下にあるため、大きな衝撃を受けにくいことが壊れにくい所以かもしれません。しかし、一度故障してしまうと修理には多額の費用が必要となります。

その額は少なく見積もっても30万円以上で、規模・故障状況によっては100万円を超えることもあるそうです。

そして、床暖房が故障する原因の多くは、設置時のトラブルにあると言われています。きちんと設置された床暖房は、めったなことで10年以内に故障することはありませんので、設置業者は信頼できる業者を選定したいものです。

さらに、こうした故障による高額修理費用を防止するためには、定期的な点検が必要で1回の点検は5,000円程度掛かるようです。

冬場の使用を見据えて夏終わり~秋口あたりで1年に1回チェックしておくことをメーカー側は推奨しています。

以上が、床暖房を設置し、使用していく上で必要な費用になりますので、もう一度ここまでの内容をまとめておきます。

  • 設置費用は1畳3万5000円程度
  • 床暖房に掛かる電気代は月5000円~2万円程度
  • メンテナンス費用は10年で5万円程度
  • 定期点検費用は年間5000円程度
  • 修理費用は30万~100万円

床暖房の機能面におけるデメリット

続いて、床暖房が持つ機能に関するデメリットを紹介します。

エアコンのように古くなってきたから新しいものに交換するということが費用的にも、物理的にも困難な設備である床暖房という設備。この点をもう一度心に留めて、ここで紹介する床暖房の機能面におけるデメリットを確認してみてください。

冬場にしか使用しない

床暖房は冬場にしか使用できません。つまり、春・夏・冬の3シーズンは全く稼働しない設備です。

何を当たり前のことを言っているんだ、と言われてしまいそうですが、先ほど紹介したように床暖房という設備には設置費用に加え、電気代やガス代はもちろん、メンテナンスや修繕費用まで多額の費用が掛かってきます。

これだけの費用を掛けて設置した設備ですが、使用するのは冬場のみです。冬場といっても、床暖房を使用するような最低気温が10℃以下になる時期は2~3か月間という地域が日本には多くあります。

このたった2~3か月を快適に過ごすために床暖房が費用対効果のある設備なのか今一度考えてみてください。

年々性能が向上しているエアコンや電気カーペットを利用すれば、十分快適に過ごせるかもしれません。

ラグやカーペットとの相性が悪い

床暖房対応のラグ・カーペットは床暖房から発せられた熱が伝わりやすく、非対応のラグ・カーペットは熱が伝わりにくいと考えている人が多くいますが、これは床暖房対応の意味を誤解しています。

実は、床暖房対応のラグ・カーペットと非対応の大きな違いは安全性であって、熱の伝えわり方ではありません。

つまり、床暖房対応のラグ・カーペットであったとしても床暖房の熱が伝わりにくい商品も多くあるわけです。

そもそも、床暖房は上に何も敷かないで使用するのが望ましいとされています。

とはいえ、小さい子どものいる家庭にとって、リビングの汚れ防止や衝撃吸収などのために、どうしてもリビングにカーペットが必要になります。

しかし、こうした子どもの衝撃対策を兼ね備えつつ、床暖房の効率も維持できるカーペットやラグマットが意外と少ないのが実情です。

こうした実情を踏まえ、厚手の生地のラグ・カーペットを敷くと、床暖房の熱が伝わりにくく、電気代も高く付いてしまいます。一方で、薄手の生地では子ども達の衝撃を受け止めきれず、ドスドスとかなりの音が響き渡ってしまいます。

床暖房対応のラグ・カーペットも多く出回っていますが、こうした子育て期の悩みを解消しつつ、床暖房にも対応しているカーペットにはなかなか出会うことができませんし、あったとしても、高額な商品になってしまうのです。

おしゃれな床暖房対応ラグ・カーペット人気商品とその選び方を大公開

急速に部屋を暖めることができない

床暖房には、部屋をすぐに暖めることができないという特徴があります。この床暖房がすぐには暖まらないということは、研究でも明らかになっています。

ポラス暮し科学研究所が発表した「暖房機器の違いが全身温冷感へ与える影響に関する実験的研究」によると、外気温6℃のとき設定温度22℃に達するまでの時間を計測したところ、エアコンやストーブに比べ、床暖房は部屋を暖めるスピードが圧倒的に遅いことが分かります。

暖めるスピードが遅いということは、暖まりすぎた温度を下げるスピードも遅いわけで、つまり、床暖房単独で部屋の温度を調節することは困難と言えます。

電気代を気にせず、24時間付けっぱなしで生活することができれば、床暖房単独での暖房設備で事足りますが、そうした使い方ができないのであれば、エアコンやストーブ、加湿器など、床暖房の欠点を補う商品が必要になります。

結果として、暖房設備が増えることによる維持費やメンテナンス費用がかさむことは言うまでもありません。

10年過ぎると使わなくなる

床暖房の利用状況

このグラフは、sumaiLABが実施した冬の暖房に関するアンケート結果です。

グラフを見ると、床暖房を設置した家庭が10年を過ぎた辺りから急激に床暖房を使用しない状況になっていることが分かります。

これは費用面のデメリット時に説明したように、床暖房が10年を区切りとしてメンテナンスが必要なことが関係あるかもしれません。10年で不凍液を交換しないと、当初の性能が維持されることは難しく、例え交換したとしても、様々な部品は経年劣化し、性能は徐々に衰えていきます。

10年を過ぎると3家族に1家族、20年を過ぎると3家族に2家族が床暖房を使わない生活を送るようになっていることが見て取れます。

こまめな点検や早目のメンテナンスを念頭に、しっかりと維持費と手間を掛ける必要性が床暖房にはあるというわけです。


床暖房が人体へ与えるデメリット

ここまでで床暖房の費用面のデメリットと機能面のデメリットを紹介してきました。

最後は、人体に与える影響について、最新の研究結果をもとに解説していきます。

のぼせてしまう

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暖房機器の違いが全身温冷感へ与える影響に関する実験的研究より

こちらの画像は、先ほども紹介したポラス暮し科学研究所が発表した「暖房機器の違いが全身温冷感へ与える影響に関する実験的研究」の結果です。

画像を見てもらえば一目瞭然ですが、床暖房の部屋を暖めるパワーは他の暖房器具に比べ、圧倒的です。床暖房を使用することで、下半身を中心に身体全身を温めてくれます。これこそ床暖房最大のメリットです。

しかし、同研究によると被験者の多くが、床暖房を使用すると「のぼせた」という症状を訴えています。

この原因について、論文内では

全身が暖かいと感じ、血管拡張といった放熱局面に整理反応が移行してもなお足裏では吸熱、手や顔の放熱機構のみでは十分な熱放量が確保できない

と分析しています。

これはつまり、床暖房を使用することで温度調節ができにくくなる状況が作り出されていることを指摘しているのです。

床暖房による温度調節は難しいことは機能面のデメリットでも述べました。

エアコンは、スイッチを切ったり設定温度を変更したりすれば、すぐに体感温度も変化します。

一方、床暖房の場合は、スイッチを切ったとしても輻射熱の影響でなかなか体感温度が下がることは無く、その間にのぼせてしまうような暑さを感じることになります。

特に、赤ちゃんや小さい子供は、大人に比べて体温の調節機能が弱いため、冬場でも軽い熱中症になることもあるのです。

赤ちゃんが低温やけどになる危険性

これは床暖房に限らず、ヒーターなどにも言えることですが、赤ちゃんが低温やけどや汗疹にならないように注意する必要があります。

一般的に、ヒーターは危険であるという認識はあれど、床暖房が危険であるという認識はあまりありません。

しかし、赤ちゃんがいる家庭においては、危険が潜んでいることを認識すべきです。

赤ちゃんは寝ていても起きていても身体が床の近くに密着しています。当然、直接床に寝かせることはありませんが、気が付いたら移動していることだってあり得ます。

また、エアコンやヒーターによる体感温度は大人も赤ちゃんもほぼ同じであるのに対し、床暖房は床に近い位置で過ごす赤ちゃんの方が暑くなっているのです。

こうしたことから、大人はあまり暑いと感じていない場合であっても、実は床付近は温まっており、親が気付いた時には低温やけどや冬場の汗疹などになってしまうことがあります。

メーカー側は、床暖房の熱ほどでは低温やけどになる可能性は低いとしながらも、「その可能性はある」として注意を呼びかけています。

床暖房の熱は30℃前後と低温やけどにつながらない温度であったとしても、人体と床の接触面は熱の放出が妨げられ、閉塞空間がうまれ、温度が上昇します。これによって、低温やけどを引き起こしてしまうこともあるため、、赤ちゃんがいる家庭での床暖房の使用はくれぐれも注意する必要があるわけです。

床下にカビが生える

床暖房で部屋を暖めることで、外気温との温度差が生じます。こうした状況で、床裏にしっかりとした断熱処理が施されていない場合、結露による家自体へのダメージは深刻なことになります。

リフォーム会社は床下点検を無料で行っているケースが多々ありますが、点検をわざわざ無料で行う理由を考えてみてください。

それは、床下にカビが生えている住宅があった場合、その修理をすることで代金回収ができるからです。

つまり、床下にカビが生えてしまうと、家自体に与えるダメージは大きくその修理には莫大な費用が発生します。

床暖房による床下のカビ発生問題は、決して少ないものではありません。

設置時にしっかりとした対策を講じつつ、定期的な点検は行っていきましょう。

床暖房だって乾燥する

床暖房は部屋を乾燥させにくい暖房器具と言われています。

しかし、機能面でのデメリットで述べたように、エアコンやストーブと併用して用いることで部屋をより一層乾燥させてしまうことにつながります。

Airborne micro-organisms: survival tests with four virusesより

室温22℃の場合、湿度を50%以上にしていくことが、インフルエンザや風邪予防の面から重要であることはよく知られるようになりました。

「床暖房だから乾燥しない」という間違った知識を持たずに、加湿器などでしっかり部屋の湿度を管理することを心掛けましょう。

床暖房の導入で後悔しないポイント

ここでは床暖房のデメリットばかりに目を向けてきましたが、改めて床暖房を5年間使ってみた感想を述べるのならば「快適」の一言です。特に、寒い冬の休日はリビングで一日中ゴロゴロしていたくなり、どれだけ優れたエアコンでも味わうことができない足元からのぽかぽか感があります。

家づくりにおいて大切なことは、一度スタートした生活は簡単に「やっぱりやめた」ができない所にあります。床暖房も一度設置したら、何十年という年月付き合っていく設備になります。

しっかりとデメリットを把握し、そのデメリットを想定した上で納得した家づくりを進めていきましょう。

当サイトでは、この床暖房に関する記事のように、家づくりに関する情報を集め、最新の情報や研究をもとに発信しています。

【2019年最新】坪単価一覧をハウスメーカー15社で徹底図解!

ぜひ家づくりの参考にしてみてください。



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