タマホームは「より良いものをより安く提供することにより社会に奉仕する」という経営理念のもと、『坪単価25.8万円』というインパクトある広告を打ち出し、高品質なローコスト住宅を武器に低価格の戸建て住宅では平成30年度シェア数No.1となったハウスメーカーです。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、少し前までは大安心の家という現行の主力商品を『坪単価25.8万円』という価格で売り出していました。
例に、40坪の建物ならば約1000万円で建てられる計算になるわけですから、これはインパクトがあります。
ということで、本記事では、最新情報に加え、タマホームオーナーへの取材を元に『坪単価25.8万円』の真偽について解明し、実際にタマホームで家を建てた我が家の見積書を用いながら、タマホームの真の坪単価がいくらになるのか分析していくことにします。
タマホーム真の坪単価は一体いくらなのか
タマホームの真の坪単価を算出するにあたり、まずは平成30年度におけるタマホームの戸建て販売実績をIR情報をもとに紹介します。
戸建て販売価格帯別の割合
こちらの円グラフは、タマホームで住宅を購入した施工主の「購入価格帯別割合」になります。
タマホームの顧客ターゲット層としては、住宅本体にかける費用をできるだけ低価格に抑えた上で大手ハウスメーカーとしての高品質を期待したい施工主です。
平成30年の販売された価格帯別の割合を見ても、実際に84%の施工主が2000万円未満に建物価格を抑えていることが分かります。
床面積帯別の割合と平均床面積
こちらの円グラフは、タマホームの戸建て住宅における「床面積帯別割合」になります。
先ほど紹介した「購入価格帯別割合」と比較すると偏りが少なく、タマホームが極小床面積から広めの間取りまで対応した住宅商品を販売していることが確認できます。
続いて、商品別の坪単価をまとめました。
「大安心の家」の坪単価
大安心の家はタマホームの主力商品であり、地域ごとや仕様に応じ、「愛(準寒冷地仕様)」「暖(寒冷地仕様)」「台地(北海道仕様)」「ZERO(ZEH補助金対応)」などといった商品名が付けられています。
以下が、大安心の家の販売実績をもとに計算した平均価格・床面積であり、そこから坪単価を算出したものになります。
商品名 | 平均価格 | 床面積 | 坪単価 |
大安心の家 | 1815万円 | 128㎡ | 47万円 |
平成30年の販売実績をもとに坪単価を計算してみた限りでいうと、『坪単価25.8万円』というタマホームが打ち出している広告は嘘ということになります。
ここでは、もう一つタマホームが販売している商品の坪単価を紹介します。
「木麗な家」の坪単価
木麗な家は、大安心よりも標準価格を抑え、そこで浮いた費用を施工主のこだわりに反映させていこうとコンセプトの商品になっています。
以下が、木麗な家の販売実績をもとに計算した平均価格・床面積であり、そこから坪単価を算出したものになります。
商品名 | 平均価格 | 床面積 | 坪単価 |
木麗な家 | 1650万円 | 120㎡ | 45万円 |
タマホームは他にも、木望の家(3階建て住宅)やシフクノいえ(低価格な企画住宅)という商品ラインナップが存在しますが、ここで紹介した「大安心の家」と「木麗な家」が販売戸建て商品の9割近くを占めています。
それでは気になるタマホーム全商品の平均価格と坪単価をまとめます。
タマホーム真の坪単価
こちらグラフが直近4年間分のタマホーム全商品における販売価格の平均金額とそれをもとに算出した坪単価の推移です。
平均価格はここ数年横ばいか少し下がり気味ですが、坪単価に関しては大きな変動はありません。
これによると、タマホームの平均坪単価は約48万円/坪となっています。
しかし、平均値という指標は一部の高額価格購入者によって押し上げられる傾向にあるため、最低値付近の坪単価約40万円/坪が一番信用度の高い数値と言えるかもしれません。
いずれにせよ、ここまで見てきたタマホームの坪単価は安くても45万円と『坪単価25.8万円』という広告には遠く及ばない金額となっています。
では、タマホームの広告『坪単価25.8万円』は過大広告だったのでしょうか。
その疑問を解き明かすべく、実際にタマホームで家を建てた際の見積書をもとに分析していくことにしました。
【公開】わが家の坪単価
ここでは、坪単価25.8万円の真意に迫るべく、タマホームで実際に家を建てた際の情報を公開し、様々な視点から坪単価について分析していくことにします。
まず、以下が住宅の面積になります。ちなみに、建築面積は約95㎡です。
坪単価の計算には「延べ床面積」が用いられることが一般的ですので、ここでは41.29坪という数値を用いていきます。
続いて、見積書の項目別金額一覧になります。
こちらがタマホームに支払った金額の支払総額となります。
では、これらの数値を使って実際の坪単価を計算していくことにします。
タマホームで建てた実際の坪単価
まず、単純に(支払い総額)÷(床面積の坪数)を計算してみます。
47.7万/坪
計算結果を見ていただいて分かるように、まさにタマホームの平均坪単価の金額とほぼ同じ値となります。
では、つぎに最も坪単価を抑えられる計算方法で計算してみることにします。
その計算式は、(住宅本体価格)÷(施工面積の坪数)です。※施工面積は、玄関ポーチや吹き抜け部分なども含めた面積
30.9万円/坪
このように、坪単価はグッと下がり、約30万円という低い値となりました。
坪単価25.8万円の真意
これら2つの坪単価を見比べる限り、『坪単価25.8万円』というのは、あくまでも建物本体だけの価格で計算された坪単価になっていることが予想されます。
それも施工面積を持ちいることでより坪単価を引き下げている可能性があります。そうした坪単価を限りなく低くする計算式を用いたとしても、過大広告と感じる金額を提示しているように感じます。
察するに、タマホームが提示していた『坪単価25.8万円』は平均的な坪単価ではなく、最低値付近の坪単価を提示していると考えられます。
住宅はその間取りや構造によって大きく金額が変化しますので、ここで紹介した我が家よりも安く建物価格を抑えることは十分可能なはずです。
以上の分析をもとに、タマホームの坪単価をまとめると次のようになります。
- 坪単価25.8万円はあくまで建物本体のみ
- 坪単価は48万円前後と想定するのが良い
タマホームで実際に家を建てた人たちの口コミは?
オーナーAさん
オーナーBさん
オーナーCさん
私が知り合ったタマホームのオーナーたちはこうした不満を口にしました。
確かに、タマホームのオプションは高額になるケースが多くあります。坪単価を抑えた戦略のため、何か工夫をしたいとなると標準仕様では対応できず、すべてオプション扱いになってしまいます。
また、品質もやや低く感じるため、オーナーBさんのいうようにご自身で他のメーカーを探すことでオプション費用も抑えられ、満足度は上がるように思います。
これからタマホームで家を建てることを検討される方が、必要以上に「タマホームの住宅は高い!」と感じることがなく家づくりに後悔を残さないヒントをこの記事から得ていただけたのであれば幸いです。
当サイトでは、ハウスメーカー各社の坪単価情報を集め、記事にしています。
ハウスメーカー別坪単価一覧を一目で比較!徹底解説!こちらの記事ではタマホーム以外にも大手ハウスメーカー15社の坪単価を一覧でまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
あなたに合ったハウスメーカーの選び方
タマホームの坪単価分析を通じ、「坪単価」という指標はざっくりとした資金計画を立てる上では参考になる反面、あくまでひとつの目安にしか過ぎないことが分かっていただけたかと思います。
夢のマイホームを手に入れるためにあなたが支払わなければいけない金額は、あなたが叶えたい家の広さや間取り、取り入れたいオプション設備によって、大きく下がることもあれば上がることにもなります。
ここで紹介した坪単価をひとつの目安としてマイホーム資金の計画に参考にしてもらったならば、次のステップはあなたの叶えたい家に必要なより正確なマイホーム費用の把握になります。
タマホームにすでに決めているという方はぜひ展示場へ足を運んでいただきたい訳ですが、まだハウスメーカーをどこにしようか検討されている方は、あなたが実現したいマイホームの仕様(間取りや設備、こだわりたい場所など)を聞いたうえで、各ハウスメーカーから見積もりを出してもらう必要があります。
そして、そうした見積もりを各ハウスメーカーを比較しやすい形で提示してくれる無料サービスがあるのをご存知でしょうか。
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ここで申し込み手順を紹介します。
- 希望する間取りの情報
- 土地や資金計画の情報
- 名前などのお客様情報
- 興味のあるハウスメーカーを選択
家づくり計画書はあくまで「計画」ですので、この時点ではざっくりとした希望を伝えるだけで構いません。
家づくり計画書の申し込みによって、入力した電話番号に営業電話が掛かってくることはありません。各社ともお客様からのメールを待つスタンスでサービスを提供してくれます。
本来マイホーム作りの見積もりを作成してもらうには、ハウスメーカーの展示場に訪れ、ハウスメーカーの展示場を案内されながら営業トークを聞き、さらにご自身の家づくりの要望を伝えた後、何日後かにもう一度展示場を訪れ、ようやく見積書を受け取ることができます。
その後、訪問営業や電話営業といったあの手この手の勧誘をしてくるハウスメーカーや工務店も多々あります。
こうした一連の流れをいくつものハウスメーカーや工務店で実践するのは、実際かなりの労力であるため、2~3社程度の検討で力尽き、「もう、このハウスメーカーでいいかな…」と妥協してしまうのが一般的です。
とはいえ、マイホームは基本的に一生に一度の買い物です。後から「やっぱり地元の工務店をもう少し見ておくべきだったかな」や「あのハウスメーカーだったらどんなマイホームになっていたんだろう」と後悔する事にもつながります。
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